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平成17年11月5日

[公図とは]法的解釈

公図の研究〔4訂版〕藤原勇喜著 
財務省印刷局平成13年11月 発行

公図とは暫定的措置として存在(3頁)


公図とは旧土地台帳法施行細則昭和25年法務府令88号第2条1項の {登記書には、土地台帳の外に、地図を備える} と言う規定により、登記所が保管している旧土地台帳法所定の土地台帳附属地図のことである。すなわち登記簿と台帳の一元化昭和35年3月31日法律14号 前の土地台帳制度の下に置いては土地台帳のほかに土地の区画及び地番を明らかにするため地図を備えていたのであるが、この旧台帳附属地図を公図と言うのである。其のうちの大多数のものは、従来税務署において租税徴収のための資料として保管していたものであるが、昭和25年に台帳事務が登記所に移管されたことに伴い、〔1〕土地台帳とともに登記所に移されてきたものである。
〔昭和25年法律227号による旧土地台帳法の改正。〕

その後不動産登記法の一部改正〔昭和35年法律14号〕により旧土地台帳法〔昭和22年法律30号〕が廃止され、公図はその法的根拠を失ったが、なお不動産登記法第17条所定の地図が整備されるまでの暫定的処置として、登記書に保管され、土地の移動に伴う所要の修正等を加えて一般の閲覧等に供されている。以下略

        
初版はしがき

土地台帳付属地図、いわゆる公図は、昭和35年の土地台帳法の廃止により、其の法的根拠を失ったが、地図に準ずる図面として依然として重要な機能を営んでいる。このことは不動産取引の活発な都市部において顕著である。すなわち、公図は不動産取引における現地を特定する為の重要な取引資料としてあるのは境界確定訴訟等における重要な訴訟資料としての機能を持っている。と同時に、一方では公図を過信したため生ずる弊害も少なくない。公図を信頼して土地を買ったが、公図で示されたところには該当する土地が無い、あるいは形、広さ等が全然異なるというような事もなくは無い。そういった場会いには公図の持つ機能の限界についての理解が重要な意味をもつ。

 また長年住んできた土地が公図上では他人の土地になっている、あるいは形、広さが異なるといった事も絶無とはいえない、そういった解決策を考える場合にも、公図のもつ意義と機能についての基本的理解が大切である。