授業すべて英語で 教師は原則外国人
太田市独自の小中高一貫校計画 (02.6.11毎日)
「構造改革特区」構想に名乗り 04年度開校目指す
太田市は11日、すべての授業を外国人教師により英語で実施する市独自の小中高一貫学校、「太田国際アカデミー」(仮称)を設立する考えを明らかにした。特定地域に限って規制を緩和する政府の「構造改革特区」構想の地域指定に名乗りを上げる。指定を受ければ04年度にも開校したい意向で、先進的な英語教育を展開することで、国際性豊かな国際人の育成を目指す。
市がまとめた「太田外国語教育特区構想」によると、学校での授業は、音楽や数学、化学、体育など、すべて英語で行い、英語が自然に身に付くようにする。教師は原則として英語を母国語とする外国人とし、児童、生徒は全国から募集、男女共学の全寮制とする計画だ。
教育課程は小中高一貫教育とし、1クラス30人、各学年2クラス60人を定員(小中高で計720人)とする。また、児童、生徒らの異文化理解のため、英語の発達段階に応じて、同市の姉妹都市である米国・バーバンク市などへの海外研修や、留学生の派遣も検討している。
文部科学省によると、現行の学校教育法や学習指導要領には、外国語のみで授業することを禁じた明文規定はないが、日本語教育の徹底を「配慮すべき事項」などと規定し、英語だけの授業を事実上、不可能にしている。同省教育課程課では「現実問題として、日本で暮らすうえで日本語は極めて重要。子供たちの日本語能力をいかに高めるかをクリアする必要があるだろう」と話している。
「構造改革特区」は、政府の経済財政諮問会議(議長・小泉純一郎首相)が、経済活性化戦略の「目玉」と位置づけ、「IT(情報技術)」「バイオ」「起業」「農業」などの分野で、地域を限って実験的に改革を進めることにしている。各自治体がさまざまな構想を政府に提示しているが、教育分野の学校設立構想は、全国でも初めて。
清水聖義市長は「学校の設置場所などは未定だが、一部の科目では、大学の研究者や社会人の講師などを招き、開かれた学校を目指したい」と話している。
戻る