高校の男女併学を男女共学に

       「吉井高校の学校改革―男女平等を中心に」を聞いて

去る4月21日に「公立高校男女共学を実現する会」主催の学習会が開かれました。元吉井高校長の黒巖有治氏が「吉井高校の学校改革―男女平等を中心に」と題して講演をしました。以下、そのポイントを記し、高校の男女共学化の可能性を探って見たいと思います。

    男女併学校から男女共学校へ・・・社会と学校をイコールに

 吉井高校は、1975年に男女共学の全日制普通高校として開校。2000年4月より総合学科高校になった。当初は、男女別定員であったが1994年に一律選抜に。1999年より男女混合名簿の導入。男女の差を解消する流れになったという。「教頭として万場高校に、校長として下仁田高校に勤務したが、上野村、中里村、南牧村では、幼稚園から中学まで男女が何でも一緒にやっていて、教師も自然にそれらを受け入れている。」ところが、吉井高校に赴任してみると「男女がいるのに集会も、座席も、名簿も男女が別々。これは変だ。社会ではこのようになっていないだろう」と思った。吉井高校での2年目に男女混合名簿とし、総合学科高校への改革の一つの柱としたと話された。(参照;入学案内“YOSHIIHIGHSCHOOL P。7 吉井高校の特色&工夫 H 生徒がつくる学校文化 ●男女混合名簿を採用し、ジェンダー教育の視点に立った男女共学を実現した学校です)

    私服OKで生徒の個性重視・・・総合学科の精神を服装にも

 服装も式典以外は自由化。「制限を加えないで、生徒達に責任を持たせた。そうすれば、きちんとやる」と考えた。行事でも思い切り生徒の主体性を尊重し、沖縄の修学旅行では、すべてグループ別の取り組みをやり、生徒は喜んでフィールド研究をやったと言う。

  地域に根ざした学校・・・人材バンクを作って社会人講師を

 吉井高校のある地域を見ると、沢山学ぶことがあるので、人材バンクを作った(上野村の森林組合の理事長とか)。富岡製糸工場で働いていた女子製糸工の生活を調査した、平成上毛かるたを作ったと総合学科高校の話へ。(以下略)

 県立の男女別学校が23もあり、全国でも突出した別学率の高い群馬県では、高校の男女共学化については、沢山の課題があります。全ての公立高校の共学化を早急に具体化することを最重点に、男女混合名簿や、授業・行事・HR活動等での男女平等教育を進めること等です。吉井高校の場合、併学から男女混合名簿の導入などで男女共学や男女平等教育を「改革」の柱の一つにしている点は注目されます。一期生は今年三年生。今後、この「改革」の一つの柱がどう実践的に定着していくか期待されます。       (文責 冨田英子)

 
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